交通事故のむちうち治療、終わり方で後悔しないために|整形外科と整骨院にいつまで通う?
交通事故のあと、首や肩の違和感が続いている…それは、いわゆる「むちうち」の症状かもしれません。
レントゲンでは異常が見つからないことも多く、痛みや不調が長引くことで「いつまで通院すればいいんだろう?」と不安になる方はとても多いです。
実際、私の整骨院にも「もう2ヶ月以上通っているけど、そろそろ終わりたい。でも、終わらせていいのか分からない」といったご相談がよく寄せられます。
整形外科では月に1回の診察、整骨院には週に3回と、時間も体力も使いますよね。
この記事では、そんな「むちうち治療の終わり方」に悩むあなたのために、通院終了の判断ポイントや、後悔しない終わらせ方について、わかりやすく丁寧にお伝えします。
- むちうち治療を終える適切なタイミングの見極め方
- 整形外科と整骨院の違いや役割の使い分け方
- 保険会社からの打診にどう対応すべきかの具体的アドバイス
むちうちの治療がなかなか終わらない…
それにはちゃんとした理由があります。
見た目には元気そうでも、体の中ではまだ回復の途中だったり、日によって痛みがぶり返したりするのが「むちうち」の難しさです。
- 症状が日によって変わる
晴れた日は軽くても、雨の日や寒い日にはズキズキする…。気圧や気温の変化に影響を受けやすく、回復に時間がかかることもあります。 - 自律神経の乱れ
事故の衝撃で自律神経が乱れると、肩こり・めまい・吐き気・だるさなど、さまざまな不定愁訴が現れます。これはレントゲンにも写らないため、周囲には伝わりづらい症状です。 - レントゲンで異常が見つかりにくい
骨折などの外傷と違い、むちうちは筋肉や神経、靭帯の損傷が主なため、画像検査では「異常なし」と診断されてしまうケースが多々あります。
でも、痛いものは痛いんです。ご自身の感じる痛みや不快感を軽視しないことが大切です。
治りにくく見えるのは、治っていないから。
焦らず、今の自分の状態をしっかりと受け止めながら、「今、体はちゃんと修復中なんだ」と捉えてみてくださいね。
交通事故後のむちうち治療では、「整形外科と整骨院の両方に通っている」という方も多くいらっしゃいます。
それぞれの施設には、異なる特徴と役割がありますので、正しく理解しておくことがとても大切です。
▶ 整形外科の役割
- 画像検査(レントゲン・MRIなど)による診断
- 骨や関節の損傷の確認
- 薬(痛み止めや湿布)の処方
- 診断書の発行(保険会社への提出に必要)
整形外科では、事故によって「どの部位にどんな損傷があるのか」を医学的に評価します。
症状の経過を記録し、必要であれば治療の指針を立ててくれます。
▶ 整骨院の役割
- 筋肉や靭帯、関節の調整
- 自律神経のバランス改善
- 血流促進による自然治癒力の向上
- 後遺症の予防
整骨院では、主に手技(マッサージや調整)を通じて、身体の内側にある「自然治癒力」を引き出していきます。
「痛みが取れない」「張りがずっと残っている」など、薬では解決しづらい慢性的な不調に対して、じっくり向き合うことができます。
両方を上手に使い分けることで、表面的な症状だけでなく、根本からの改善を目指すことができるのです。
むちうち治療を終えるタイミングは、人によって本当にさまざまです。
「先生に完治って言われるまで通うべき?」「自分で終わらせてもいいの?」
そんな疑問をお持ちの方のために、通院終了を考える際に参考になる“5つのチェックポイント”をご紹介します。
- 痛みや違和感がほとんどなくなった
日常生活の中で「そういえば、最近あまり痛くないな」と感じられるようになったら、一つの目安です。 - 日常生活で困ることがなくなった
洗顔・着替え・車の運転・デスクワークなど、普通の生活を送る中で不自由がなくなれば、回復はかなり進んでいると言えます。 - 再発の頻度が減ってきた
天気の悪い日や疲れたときに出ていた症状が、明らかに軽くなった・回数が減ったと感じるなら、回復が安定してきている証拠です。 - 整形外科で「経過は良好」と言われた
医師から「経過は問題ないですね」「そろそろ終えてもいいでしょう」と言われたときは、終了に向けたタイミングが近づいています。 - 自分の中で納得できている
最も大切なのは「自分が納得しているかどうか」です。
少しの不安や違和感が残っていても、「もう十分やり切った」と感じられるなら、それが一番の卒業のサインです。
むちうち治療に“絶対的なゴール”はありません。
だからこそ、こうしたチェックポイントを参考にしながら、ご自身の体と心にじっくり問いかけてみてくださいね。
通院を終える前に確認しておきたい「後悔しないための3つのこと」
「もう大丈夫そうだから、今日で終わります」と伝えたあと、
「やっぱりまだ痛い…」
「示談したあとに後遺症が出てきた…」
そんなふうに後悔するケースは、実は少なくありません。
通院を終える前に、次の3つのポイントを必ずチェックしておきましょう。
- ① 後遺症のリスクは本当にない?
むちうちの症状は一時的に良くなっても、数ヶ月後に再発することもあります。
「痛くないから大丈夫」と思っても、再発や慢性化の可能性を頭に入れておくことが大切です。
気になる症状が少しでも残っているなら、もう少しだけ通院を続けてみるのも一つの選択です。 - ② 保険(自賠責・任意保険)の補償期間を確認しよう
自賠責保険では、原則として事故日から180日(6ヶ月)以内の通院が対象となります。
この期間を過ぎると、治療費の補償が打ち切られることもあるため、終了の前に必ず保険会社に確認しておくと安心です。 - ③ 示談との関係を忘れずに
治療が終了すると、保険会社から「示談交渉」の話が来ることが一般的です。
示談後は、原則として追加の治療費や慰謝料の請求はできません。
本当に納得できるまで、焦らずに治療を続けることが、後悔を防ぐ何よりのカギになります。
あなたの体は、あなた自身が一番よくわかっているはず。
医師や施術者の意見を聞きながらも、最終的には「納得できる終わり方」を選びましょう。
通院を終える前に確認しておきたい「後悔しないための3つのこと」
- ① 後遺症のリスクは本当にない?
むちうちの症状は一時的に良くなっても、数ヶ月後に再発することもあります。
「痛くないから大丈夫」と思っても、再発や慢性化の可能性を頭に入れておくことが大切です。
気になる症状が少しでも残っているなら、もう少しだけ通院を続けてみるのも一つの選択です。 - ② 保険(自賠責・任意保険)の補償期間を確認しよう
自賠責保険では、原則として事故日から180日(6ヶ月)以内の通院が対象となります。
この期間を過ぎると、治療費の補償が打ち切られることもあるため、終了の前に必ず保険会社に確認しておくと安心です。 - ③ 示談との関係を忘れずに
治療が終了すると、保険会社から「示談交渉」の話が来ることが一般的です。
示談後は、原則として追加の治療費や慰謝料の請求はできません。
本当に納得できるまで、焦らずに治療を続けることが、後悔を防ぐ何よりのカギになります。
実際には「保険会社から終わらせてください」と言われることが多い
理想としては、ご自身の回復に合わせて通院終了を判断するのがベストですが、現実的には、任意保険会社の担当者から「そろそろ治療を終了してください」と言われるケースが非常に多いです。
このような打診は、事故から3ヶ月〜6ヶ月の間に来ることが一般的で、そのタイミングで「症状固定かどうか」を判断しなければいけなくなることもあります。
症状固定とは、「これ以上治療しても大きな改善は見込めない」という状態のことで、後遺障害等級の申請とも関わってきます。
大切なのは、保険会社の言うままに終了を決めないこと。
医師や施術者とよく相談し、自分の体の状態をしっかり見極めることが、納得できる終わり方につながります。
自分から通院終了を伝える場合の伝え方|整骨院・整形外科それぞれのケース
「もう通院を終わらせたいけど、どうやって伝えたらいいかわからない…」
そんなふうに悩んでいる方も多いと思います。
実際にご自身から通院終了を申し出る場合、伝え方やタイミングで印象や対応が大きく変わることがあります。
ここでは、整形外科と整骨院それぞれでの、スムーズな伝え方をご紹介します。
▶ 整形外科での伝え方
整形外科では、医師が「医学的な経過観察」をしているため、
いきなり「今日で終わります」と伝えるよりも、事前に相談するのがベストです。
たとえばこんなふうに伝えてみてください:
「最近は痛みもほとんどなくなってきたので、そろそろ通院を終えようかと考えています。先生のご意見をお聞かせください。」
このように伝えることで、医師側も患者さんの回復を確認した上で「じゃあ次回で一区切りにしましょうか」と提案してくれることが多いです。
▶ 整骨院での伝え方
整骨院では、より身体の感覚に寄り添って施術をしていますので、
通院の終わり方も比較的柔軟に対応してくれるところがほとんどです。
おすすめの伝え方:
「あと2回ほどで治療を終えたいのですが、最後までしっかり調整していただけますか?」
「次回で最後にしたいのですが、最終的にやっておいた方がいいことはありますか?」
このように伝えることで、施術者も患者さんの意向を尊重しながら、最後に後悔のないような施術プランを立ててくれるはずです。
どちらに通っている場合でも、「ありがとう」の一言を添えることで、気持ちよく通院を締めくくることができますよ。
中村和仁からのアドバイス|「終わらせる」と「卒業する」は違う
交通事故のあと、毎週通い続けてきた整骨院や病院。
それを「もう終わりにしよう」と決めるのは、勇気のいることです。
ですが、私はいつも患者さんにこうお伝えしています。
「終わらせる」のではなく、「卒業する」という気持ちでいてください。
ただ「もう来ない」と切り上げるのではなく、
これまで支えてくれた人たちへの感謝と、頑張ってきた自分自身へのねぎらいを込めて、通院を締めくくる。
それが、本当の意味で“治療を終える”ということだと思うのです。
そして、むちうち治療のゴールは「痛みがゼロになること」ではなく、
“再発せずに日常を快適に過ごせるようになること”。
そのためには、治療を卒業したあとも、セルフケアや定期的な身体のメンテナンスを取り入れていくことが大切です。
あなたの身体は、事故にあったときからずっと頑張り続けてきました。
ここまで回復したこと自体が、あなたにとって大きな前進です。
だからこそ、「もう終わり」ではなく「よくここまで来たね」と、自分に言ってあげてください。
まとめ|むちうち治療、あなたらしい終わり方を見つけましょう
- むちうちは見た目ではわかりにくく、回復に時間がかかることが多い
- 整形外科と整骨院は、それぞれ異なる役割を持っている
- 通院を終えるタイミングは「体」と「心」が教えてくれる
- 保険会社の意向に流されず、納得できる判断を大切に
- 「終わらせる」ではなく、「卒業する」という気持ちで
むちうち治療の終わり方に正解はありません。
ですが、「自分の体を大事にしたい」という想いに正直になること、
それが一番後悔のない選択につながると、私は信じています。
不安なときは、一人で決めずに
かかりつけの整骨院や整形外科の先生に相談してみてください。
そして、もしも卒業のタイミングが来たのなら、笑顔で「ありがとう」と言える終わり方を一緒に見つけていきましょう。
あなたが心から納得できる「むちうち治療の卒業」を迎えられるよう、応援しています。
- むちうち治療の終了時期に悩む方へのアドバイス
- 整形外科と整骨院、それぞれの役割の違い
- 治療終了の判断基準となる5つのチェックポイント
- 通院終了前に確認すべき保険・後遺症・示談の注意点
- 任意保険会社からの打診に対する対応の考え方
- 自分から通院終了を伝えるときの上手な伝え方
- 「終わらせる」のではなく「卒業する」という意識
- 自分の身体と心に納得できる終わり方の大切さ





